ジム・ロジャーズ氏の予測

ずい分とご無沙汰してしまい、申し訳ありません。
13日〜24日まで、長期出張に出ており、
デイリーアイを更新することができなかったのです。
昨日は、たまった仕事の整理でバタバタの1日でした。

さて、本日は、「冒険投資家」として有名な
ジム・ロジャーズ氏をとりあげてみましょう。

ロジャーズ氏は、ジョージ・ソロス氏と並ぶ、
米国の有名投資家です。
国際投資会社クォンタム・ファンドを設立して、
10年間で4200%を越える驚異的な成績を残しています。
37歳で引退していますが、
その後、バイクや車で世界中を旅して、
自分の足で歩き、自分の目で見て、
生きた情報を直接収集し、各国の経済成長を読み、
自らの投資に活かすという投資スタイルを貫いているので、
「冒険投資家」とされているのです。

そんな、ロジャーズ氏のインタビューが
3月22日付け日経ヴェリタスに掲載されていました。
そこで、今後の参考になりそうなポイントを
まとめてみました。

まず、今回の金融危機については、
大変ひどい状況ととらえており、
今後数年間は、世界中で経済悪化が続くと見ています。
特に金融機関への打撃が1番ひどく、
今後20年〜30年、場合によっては30年間は
立ち直れないかもしれないと考えています。

AIGやシティグループ、GMなどの企業は、
事実上破綻状態にあり、
即座に破産法を適用すべきと述べています。
すでに競争力を失った企業をずるずると延命させることは、
雇用問題を長引かせることになりつながり、
迅速な破産処理を行えば2年で解決できる問題を
15年間くらい長引かせてしまう危険性があるとしています。

さらに、米ドルは基軸通貨としての地位を失い、
目先はユーロが軸となり、
15年後には中国人民元が
その地位におさまると考えています。

新興国投資については、
中国以外に興味はないとしています。
「21世紀は中国の時代」と断言しており、
1990年代から積極的に中国投資を行ってきました。
投資先の分野は、
農業、水処理、インフラ、発電所など。
特に、農業分野に高い関心を示しています。
世界の農産品需要に供給が追いつかない状況が続き、
農業の地位は高まる一方というのが自論です。

次に、日本についてですが、
相対的にポジティブに見ているようです。

円の先行きについては、対ドルで上昇すると考え、
1ドル=70円までは円を保有するとのこと。

日本株にはほとんど投資をしていませんが、
唯一、育児関連銘柄のみに投資をしています。

ロジャーズ氏のインタビューの中では、
その理由や具体的な銘柄について
述べているわけではありませんので、
少し、説明を加えたいと思います。

実は、ピジョン、コンビ、ベネッセ・コーポレーション、
花王などの育児関連銘柄は、
中国で活躍する赤ちゃん関連株なのです。

一例をあげてみましょう。
ピジョンは、哺乳瓶で創業した育児用品メーカーですが、
2009年1月期に最高益を更新しています。
この不況の中で結果を出せたのは、
中国でのビジネスに成功しているからです。

現在、ピジョンの中国でのシェアは2割と
外資系ではトップを誇っています。
世界一要求の高い日本市場で培った哺乳瓶の技術が、
中国の消費者を魅了しており、
地場品と比べると価格が3倍超もするにもかかわらず、
高所得者層の約5割が
ピジョンの製品を購入しているのです。

2割といいますが、中国はスケールが違います。
中国では毎年1800万人近い赤ちゃんが生まれます。
これは、日本の16〜17倍の人数。
つまり、中国でがっちり商売ができれば、
日本の16倍近い市場を制覇できるということなのです。

中国に強い、赤ちゃん関連企業、侮れませんよ。

最後に、ロジャーズ氏は日本について、
以下のように述べています。

「日本は他の国より有利な立場にあります。
外貨準備は巨額ですし、
需要が伸びるアジアへの輸出経路も確立しています。
この利点を自覚して将来に備えるべきでしょう。」


日本は、今こそ、
中国に近いという「地の利」を活かすべきなのです。

(2009/3/26 記)