不況でもがっちり稼ぐ店

自動車業界、電機・精密業界など
日本を代表する産業セクターに元気がありません。
不景気だと、業界全体、
各社横並びで元気がなくなるのは、
当たり前のことなのでしょうか。

そんなことはありません。
企業努力によって好調を維持できる企業が
ゴロゴロしている業界もあります。
それは、小売り・外食業界です。

そんな業界の代表格として今、注目されているのが、
全国に「餃子の王将」を展開する
王将フードサービスです。

3月の既存店売上高は
前年同月実績を14.5%上回り、
1967年創業以来、最高の伸び率を記録しています。

既存店売上高は
前年同月実績を20ヶ月連続で上回っており、
この不況下で躍進を続けています。

話が少し横にそれますが、
小売業を分析する上で、大変重要なことは、
「既存店の売上の伸び率を継続的に見ること」です。

ちなみに、既存店というのは、
店齢が12ヶ月たった、つまり13ヶ月以上の店
のことをいいます。

なぜ、既存店ベースの売上を見るのかというと、
全店ベースでは、新店の売上も含まれているので、
その分、売上が伸びるは当然。
真の実力を見るためには、
既存店ベースで見ることが重要です。

さらに、既存店の売上は、
客数と客単価の2つに分解することができますが、
ここで重用なのは、客数です。
客単価が高くなって、客数が減っているようでは、
小売店としては不健全。
お客様が増え続けていることが大切です。

さて、王将に話を戻しましょう。
この店の最大の特徴は、
『手ごろな価格』『個性』です。

まず、価格設定についてですが、
看板商品の餃子については、
関東では6ケ220円(その他の地域では200円)。
具材の豚肉は国産の「生」を使い、
アンも皮も工場で自前で作り、
半生状態で各店舗に配送し、
店でアンを包んでから焼いています。

春巻きとシューマイ以外はすべて店舗で調理しており、
チェーン店であるにもかかわらず、
作り置きしないのが特徴です。

もう1つの特徴である個性について。

「どの店でも同じメニュー、同じサービス」の
全国均一がチェーン店の常識ですが、
500店舗すべて、
立地・大きさ・レイアウト・定食メニュー等が
一店ずつ異なっており、
現場(店長)の裁量によるところが大きくなっています。
これはまさに、外食産業の雄、マクドナルドの
対極をいく店舗戦略です。

たとえば、新橋駅前店では、
仕事帰りのサラリーマンを狙って
「おつまみメニュー」を充実させるとか、
平塚駅西口店では、
女性グループや子連れの主婦を意識して、
デザートメニューを充実させたり、
駄菓子を用意するなどの
地域密着型サービスを展開することで、
リピーター客をがっちりつかんで、
売上を確実に伸ばしているのです。

不況だからこそ、顧客の心を捉えて話さない店は
その本領発揮といったところですね。

(2009/4/6 記)