ビッグ・プロジェクト

本日は先週に引き続き、日経平均が
一時、9000円台を回復しています。

とりあえず、
米国の金融不安の懸念が後退したこと、
米大手銀行ウェルズ・ファーゴの
1〜3月期最終利益が
四半期ベースで過去最高になる見通しと
発表されたことなどが、
「ポジティブ・サプライズ」なニュースとして評価された
影響が大きいと思われます。

それにしても、ウォーレン・バフェット氏の
“企業を見る目”は、
本当に冴えていますね。
ウェルズ・ファーゴの大株主は、
バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイですから。

バフェット氏は、1990年に
ウェルズの発行済み株式の10%を購入しています。
当時の米国は、
S&L(貯蓄金融機関)危機に端を発した
金融機関の経営悪化で、
大手商業銀行も従業員を大量解雇し、
貸し渋りなどで混乱を極めていた時代です。

投資家は一斉に、
銀行株を始めとする金融株の売却に走りました。
しかし、バフェット氏は、
独自のそろばんでウェルズ株が
超割安であるとはじき出し、
果敢に買い向かったのです。

当然、「100年に1度の金融危機」に際しても
動じることなく、
ウェルズ株を保有し続け、
今回もバフェット氏の判断が正かったことが
証明されたようです。

さて、、話を日本株に戻しますが、
今後の一大テーマとして注目しておくべき
「新興国のインフラ関連銘柄」
について触れてみたいと思います。

新興国では依然として電力や輸送網が足りず、
金融危機の混乱の最中でも
インフラ投資を続けなければなりません。
そこに、各国の景気対策が加わることで、
新興国のインフラ関連投資は300兆円規模にも
達するのではという見方があります。

中でも、日本にとって
かなりおいしいビジネスになると思われるのが、
中東の水ビジネスです。

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国には、
海水淡水化プラントが立ち並び、
ここで、活躍しているのが、
酉島製作所です。

酉島製作所は、プラントに欠かすことのできない
巨大ポンプを納めており、
売上高に占める中東の割合は、
5年前の3%から30%まで高まり、
売上高も6割伸ばしています。

その結果、海水淡水化用の大型ポンプの
世界シェアは50%超。
「脱・日本」で成功している企業なのです。

OECDの調査では、
世界の水関連インフラへの投資額は、
2015年に50兆円に達すると予測しています。

さらに、上下水道の運営などを含めた水ビジネスは、
2025年に現在より7割増の
100兆円産業になるとの試算もあります。

日本の水ビジネスの問題点は、
造水などの高い技術力は持っているものの、
その技術を総合的に販売することができない
という点にあります。

水ビジネスで一番おいしいところを持っていくのは、
水処理から施設運営、配水、
末端の顧客対応という川上〜川下まで、
水事業の運営を一手に握る「水メジャー」です。
(ちなみに、現在の水メジャーは、
仏ヴェオリア、仏スエズ、英テムズ・ウォーター。)

日本の水ビジネスのように、
水処理膜やポンプなど“点”で商売している企業は、
自動車部品の下請け企業と同じような
位置づけにあるわけで、
水ビジネスのイニシアチブをとることができず、
当然、大きな利益を得ることもできません。

そこで、現在、
海水淡水化事業には、
必要不可欠な逆浸透膜の技術を持つ、
日東電工、東レ、東洋紡、
ポンプの酉島製作所、クボタ、
プラントの日立製作所、荏原、鹿島建設など、
他業種がチームを組んで、
水メジャーに対抗しようという動きが出てきています。

今後、非常に大きな成長が期待される
水ビジネスですから、
ぜひ、「株式会社ニッポン」として、
プロジェクトに取り組んでもらいたいものです。

(2009/4/13 記)