ジム・クレイマーの投資戦略@

株式投資の世界で『賢者』としてよく名前があがるのは、
ベンジャミン・グレアム、
ウォーレン・バフェット、
ピーター・リンチ、
ジェレミー・シーゲル、
ジョン・ボーグルなどいろいろいますが、
実践的な投資指南のカリスマ的存在として
米国で人気が高いのは、ジム・クレイマーでしょう。

クレイマーは、ハーバード法科大学院を卒業後、
ゴールドマン・サックスに入社し、
株式トレーディング部門で経験を積みました。
トレーディングというのは株を頻繁に売買して、
どれだけ儲けられるかが問われる仕事です。

1987年に自らヘッジ・ファンドを興し、
世界中の大金持ちの資産を預かって、
ITバブルのピーク時である2000年まで
運用にあたりました。

その間の年平均パフォーマンは24%で、
年単位では一度もS&P500平均を
下回ったことがないというのですから、
まさに、「負けない投資」が信条です。

ITバブルの相場がピークをつける直前の
2000年夏に、顧客に対して、
株式からの前面撤退を宣言しました。
その結果、その年のS&P平均がマイナス11%、
ダウ工業30種平均がマイナス6%であったのに対し、
クレイマーのファンドは、
プラス36%という高い成果をあげました。

こうして、ファンドマネージャーとして
一財産を築いたクレイマーは、
現在、米国の一般市民に対して、
自分がいかにして株式投資で富を築いたか
洗いざらい紹介して、
株式投資で大金持ちになれるようにと
手助けをしています。

そんなクレイマーの投資法則を少しご紹介しましょう。

【ポイント1】
大胆に投機すること。
ただし、安全に投機するために、
資金の8割は優良銘柄で長期運用し、
2割の範囲内で将来大化けする可能性がある
無名の小企業をいち早く見出して
長期的に投機する。

【ポイント2】
短期のトレーディングも大いに結構。
優良銘柄でも株価は大きく変動する。
相場のサイクルをうまく読み、
短期売買でも大いに儲けるべきだ。

【ポイント3】
投資、投機、トレーディングを問わず
成功するカギは
「バイ・アンド・ホールド」ではなく、
「バイ・アンド・ホームワーク」にある。
投資は買えば終わりではなく、
買ったところから始まる。

ここで、注意しておきたいことは、
クレイマーのトレーディングでは、
決してチャートは使わないということです。
彼によると、チャートはあまりに頻繁に
またあまりに多くの間違った売り買いのシグナルを
出すからだそうです。

クレイマーが重視するのは、
業種やセクターごとの、
景気動向と株価変動の関係性です。
景気の上昇期、ピーク期、下降期、ボトム期に
それぞれ、どのセクターや銘柄が相対的に上昇し、
あるいは下落するか、
かなり規則的なパターンがあるので、
この循環を利用するのだそうです。

さて、次に具体的な投資戦略についてですが、
株式市場を4つのセグメントに分けて、
それぞれ細かい投資戦略をアドバイスしています。

【セグメント1】
他の投資家が気付いていない小型銘柄で、
株価が安く、
クレイマーが述べるところの「長期的投機候補銘柄」。

【セグメント2】
いい会社だと認知されているものの、
株価にはまだ評価されておらず、
今後、いわゆる「小型株プレミアム」が
見込める銘柄群。

【セグメント3】
適正に値付けされた、
あまり大きなリターンは期待できない
有名大企業。

【セグメント4】
株価が実体とかい離するほど
高い人気銘柄で、
個人投資家にとって最も危険なセグメント。

1と2のセグメントは、
長期投機と長期保有が前提になります。

3と4のセグメントは、
長期保有に加えて、
相場サイクルを巧みに読み込んだ
トレーディング戦略が必要になります。

すべてのセグメントに共通するのは、
「投資目的をはっきり区別すること」と
「一貫した売り買いの規律」
ということです。

投機とか、トレーディングとか、
ちょっと「どきっ」とするような言葉を使ってはいますが、
クレイマーの投資に対する基本的な考え方は、
優良銘柄の「バイ・アンド・ホールド」を
彼の経験をふまえ、より実践的なものにアレンジした
オーソドックスな投資方法なのですね。

少々長くなってしまったので、次回に、
「投資に成功するための7つの心構え」と
「銘柄選択の具体的な基準」について
ご紹介します。

(2009/4/17 記)