進化するHOYA

日本を代表する優良企業として
長い間その座をキープしている1社に
HOYAの名前があげられます。

HOYAは1984年10月、
保谷硝子からHOYAに社名変更し、
眼鏡レンズや高級食器などガラス製品メーカー
としての道を歩んでいました。

そして、1990年代前半、創業50年の年に
鈴木哲夫社長(現名誉会長)が社内向けに
「2000年ビジョン」を発表し、
「弟2の創業」ともいえる大変身を遂げています。

その内容は、全体の売上の30%程度だった
眼鏡レンズ、高級食器等ガラス製品から脱却して、
電子・光学分野を成長の柱に据え、
高収益ハイテク企業に生まれ変わらせる
というものでした。

主力の眼鏡レンズやコンタクトレンズ事業は、
地味ですが、
安定的にキャッシュを生み出すビジネスです。
そのキャッシュを次の成長分野である
半導体回路基板のマスクブランクスや
ハードディスク駆動装置(HDD)用ガラス基板、
デジタルカメラ用の光学レンズへの投資に
集中させていきました。

HOYAの戦略は、特定の市場で50%以上という
圧倒的なシェアを握る製品を生み出し、
大きな利益を狙うというものです。
その結果、電子・光学分野で売上比率が60%に上った
2007年3月期に売上高3900億円、
営業利益1000億円強という数字をたたき出し、
並み居るハイテク企業の中でも
抜きに出た収益力を見せつけたのです。

しかし、ここにとどまらないところが
HOYAのすごいところです。
高収益が狙えた電子・光学分野も
やがて、競争が激化し、
ありふれた市場となっていきました。

そこで、次にHOYAが目をつけたのが、
内視鏡や眼内レンズといったメディカルの分野です。

2007年8月、HOYAはペンタックスを買収しました。
内視鏡ビジネスは、ペンタックス時代、
デジタルカメラの陰に隠れた地味で、
光の当たらない存在でした。
しかし、HOYAに取り込まれてからは、
「先進国や新興国で需要が見込める成長分野」として、
HOYAのメインビジネスに据えられようになったのです。
言ってみれば、これが、「弟3の創業」。

しかし、内視鏡のマーケットには、
シェア70%を誇るオリンパスが存在します。
はたして、電子、光学分野と同様に
圧倒的なシェアを握ることができるのでしょうか。

現CEOの鈴木洋氏は、
メディカル事業を中核と位置づけてはいるものの
内視鏡や眼内レンズだけでは、
10年も20年も成長することは難しいと考えています。
なにか、新しい分野への進出も狙っているようです。

さて、日々、進化し続けるHOYAは、
この先、どこへ行くのでしょうか。

(2009/5/12 記)