オイルマネーはどこへ行った?

食料の国際価格が再び上昇し始めています。
大豆やとうもろこしの先物相場は、
昨年9月のリーマンショック後につけた安値から
いずれも5割超の上昇となっています。

特にニューヨークの砂糖先物相場は、
リーマン後に1ポンド10セント台まで急落しましたが、
現在は16セントに迫り、
3年ぶりの高値圏で推移しています。
どうやら、ファンドの資金も流入している模様。

食料の価格が、かくも不安定なのは、
食料の供給が一部の国に偏っているからです。

トウモロコシを例にあげてみましょう。
2009年度〜2010年度の世界生産量見通しが、
7億8510万トン。
このうち輸出に回っているのは8110万トンと
1割程しかないそうです。

しかも輸出量は1位の米国、2位ブラジル、
3位アルゼンチンの3カ国で、6630万トンと
8割超のシェアを握っています。

このように「供給の寡占化」が進む一方で、
食料の長期的な需要増は明白です。

話は変わりますが、米国の不動産バブル時代に
欧米の株式や不動産市場を席巻したオイルマネーは
リーマンショック後、
どこへ行ってしまったのでしょうか。

実は、海外の農地に触手を伸ばしている模様です。

サウジの農業事業会社、ハイル農業開発は、
アフリカはスーダンの北部で
4500万ドルを投じて9000ヘクタールの農地を開拓。
小麦やトウモロコシ、家畜用飼料などを
生産する事業に着手しました。
スーダン政府と農地の使用契約を締結し、
今後5年で4倍超に広げる計画とのこと。

サウジ政府はこのプロジェクトを全面支援しており、
総事業費の6割はサウジの政府系基金
いわゆる“オイルマネー”が融資しています。

さらに、ブラジルとの関係強化にも
動いているようですよ。

これからは、大型の商業施設を建てて、
人を呼び込むための不動産ではなく、
人間が生きていく上で必要不可欠な食料を育む農地が
投機の対象になりそうです。

今までは、地味な農業国が、一躍、
リッチな大国に変化していくのも
そう遠い将来ではないのかもしれません。

(2009/6/5 記)